脳神経外科

脳神経外科

めぐみクリニック めぐみクリニック
頭痛外来

頭痛外来について

頭痛は多くの皆さんが経験されたことがあると思います。ですので、頭痛でお困りでも、医療機関を受診するほどのことでもないと軽視されがちです。市販の鎮痛剤を飲んでやり過ごす・・・、気がつけばほぼ毎日のように薬を飲んでいる・・・、そういったかたをよくお見受けします。
しかし、頭痛が脳腫瘍や脳血管性疾患などのサインになっている場合があり、頭痛を放っておくと非常に危険です。特に今までに経験したことのないような激しい頭痛、程度は軽くても頭痛が続いている、といった場合は、CTやMRIといった画像による精査が必要です。
たとえ、命に関わるような脳の病気がなくても、片頭痛のように日常生活や仕事に支障をきたす頭痛や、ほかにもたくさんの種類の頭痛があります。
当院の頭痛外来では、頭痛の原因となっている疾患を画像検査や血液検査などにて精査をおこないます。また詳細な問診により、どのタイプの頭痛であるかを診断し、患者様一人ひとりに合わせた治療をおこなっていきます。

片頭痛

頭痛外来にお越しになる患者様で最も多い疾患です。20~40歳代の若い女性のかたに多いと言われていますが、子供でも男性でもみられます。脳の血管周囲の三叉神経が刺激を受けると、その末端から血管を拡張させたり、神経の炎症を引き起こしたりする物質(CGRPなど)が放出され、ズキズキする強い痛みが生じます。「片頭痛」には「片」という字がついており、片側にしかおこらない頭痛のようなイメージですが、両側が痛むこともよくあります。動くと痛みがさらに強くなり、光・音・においに敏感になります。ひどいと吐き気や嘔吐を伴うこともあります。天気の悪い時や気温の変化、人混み、ストレス、ストレスから解放されたとき、寝過ぎ、寝不足、飲酒などが頭痛の誘因になることがあります。月経前~月経中、排卵期にも頭痛が起こるとおっしゃるかたがいらっしゃいますが、それは「生理痛」ではなく「片頭痛」です。また片頭痛のかたは首や肩の凝りを伴うことが多く、肩こりが原因の「緊張型頭痛」と診断されてしまうことがあります。「片頭痛」と「緊張型頭痛」では対処法が異なりますので、注意が必要です。
片頭痛には頭痛発作の前兆として、視野の一部がキラキラ・ギザギザして見える「閃輝暗点」という症状を呈するかたがいらっしゃいます。これは一過性で頭痛が始まると消失します。
片頭痛は生命に関わるものではありませんが、日常生活や仕事や勉強に支障をきたす、たいへん厄介な病気です。頻回の鎮痛剤の服用で対処していると、なかなか治りにくい「慢性片頭痛」に移行します。近年詳しいメカニズムが解明され、「トリプタン製剤」「抗CGRP抗体製剤」「ラスミジタン製剤」という片頭痛治療薬が発売されており、片頭痛患者様の希望の光となっています。当院ではこのような薬剤を用いた治療が可能です。

抗CGRP抗体製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)について

非常に有効性の高い、新しい片頭痛予防治療薬です。頭痛の回数や程度が大きく減少し、日常生活の質の改善が期待できる薬剤です。エムガルティは月に1回、アジョビは4週もしくは12週に1回、アイモビーグは4週に一回、皮下注射をおこないます。自己注射も可能となりました。これらの治療の適応かどうかは受診していただき、診察の上、判断いたします。

緊張型頭痛

いわゆる「肩こり頭痛」で、後頭部などの筋肉のこわばりから生じる頭痛です。締め付けられるような鈍い痛みで、毎日続くこともあります。首や肩の凝り、ふわふわするような浮遊感を伴うこともあります。片頭痛と異なり、体を動かすことで悪化することはなく、むしろ筋肉がほぐれ改善することがあります。加温とストレッチが有効です。

群発頭痛

片側の目の奥からこめかみにかけて起こる、目をえぐられるような激しい頭痛で、頭痛と同じ側の目から涙が出たり、鼻が詰まったりするのが特徴的な頭痛です。頭痛発作は2日に1回~1日に8回で、しばしば夜中の決まった時間起こることがあります。喫煙、飲酒する男性に多くみられます。この頭痛が1,2ヶ月毎日の様に続くと、そのあと頭痛は治まりますが、数年後また集中して発症するため「群発頭痛」という名前がついています。病態については諸説ありますが、まだはっきりとはわかっていません。現在では、一部の片頭痛の治療薬や酸素療法が有効とされています。

危険な頭痛

くも膜下出血、脳腫瘍、脳出血、髄膜炎、脳炎、慢性硬膜下血腫などといった病気は直ちに治療が必要で、場合によっては命に関わることがあります。特に「くも膜下出血」はバットで頭を殴られたような強い痛みが突然生じ、嘔吐を伴い、意識を失うこともあります。当院で診断が確定した場合は、すぐに手術可能な基幹病院の脳神経外科に救急搬送いたします。そのほか、突然の片側の後頭部痛として発症し持続する「椎骨動脈解離」や、入浴やウエイトトレーニングなど負荷のかかる行為が契機になって突然の激しい頭痛で生じ、頭痛を繰り返す「可逆性脳血管攣縮症候群」は通常CTでは発見できず、MRIで血管の状態を含めて精査してはじめて診断できることがあります。

神経痛

大後頭神経痛は、片方の後頭部のズキッとした間欠的な痛みが特徴的です。頭皮を触ったり、ブラシで髪をといたりしても痛みを感じます。
肩こりやヘルペスウイルスが原因であることがあります。 三叉神経痛は主に顔面のビリビリする痛みで、食事や歯磨きなどで誘発されることがあります。

急性副鼻腔炎

いわゆる「蓄膿」です。風邪や鼻炎のあとしばらくしてから起こることが多く、頭を下げるとズキズキする頭痛が特徴的です。膿が貯まっている副鼻腔の部位によっては、鼻汁や鼻づまりなどの症状は認めないこともよくあります。CTやMRI検査で診断がつきます。

薬剤使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)

市販薬をはじめとする頭痛薬を、漫然と服用し続けることが原因となっている頭痛です。頭痛がひどくなる前に服用することにより、服用日数が増え、気がつけば毎日のように服用してしまっていることがよく見られます。このような状態が続くことでさらに頭痛は増え、さらに薬も効かなくなってしまいます。その場合、薬の減量もしくは中止、頭痛の予防薬、急性期治療薬の変更を検討する必要があります。