Migraine

片頭痛について

片頭痛にはお薬があります

片頭痛の治療法には大きく分けて急性期治療と予防療法があります。
急性期治療は片頭痛発作が起こった時の痛みを速やかに抑え、仕事や生活にできるだけ早く戻れるようにするための治療で薬物療法が中心になります。
急性期治療薬には一般的な痛み止めである解熱鎮痛剤や、片頭痛に特化した治療薬であるトリプタン系、ジタン系のお薬があります。
頭痛発作の程度や副作用の有無などを考慮して患者様と相談しながら適切な薬剤を選択します。
予防療法は片頭痛発作の回数を少なくしたり、急性期治療薬の効き目を良くしたりするための治療です。
片頭痛発作そのものや、発作が起こるのではという不安から生じる日常生活の支障を軽減などといった効果が期待されます。
予防療法には、生活習慣改善などのセルフケアや、予防治療薬(発症抑制薬)を使用する薬物療法があります。

01急性期治療薬:トリプタン製剤、ラスミジタン

片頭痛の急性期治療の主流となっているのがトリプタン製剤です。拡張している血管を収縮させ、血管周囲の神経の炎症を抑えます。
トリプタン製剤は頭痛発作が起こり始めた早い段階で服用することが最も効果的とされているため、服薬タイミングが重要です。
トリプタン製剤の内服薬にはイミグラン、レルパックス、ゾーミッグ、マクサルト、アマージがあり、その中でもイミグランは点鼻薬、注射薬があります。
2022年に新しく発売されたレイボー(ラスミジタン)は血管周囲の神経の炎症を抑えるだけでなく、大脳へ痛み信号を伝達することを抑制する働きがあり、服薬タイミングに関係なく効果を発揮する薬剤として期待されています。

急性期治療薬の種類とその働きについてのインフォグラフィック。片頭痛の程度に応じた治療薬の選択肢や、痛み止めと片頭痛治療薬の効果について説明されている。

※日本イーライリリーホームページより引用

02予防治療薬(発症抑制薬):従来の内服予防薬、CGRP関連製剤

従来の内服予防薬としてミグシス(カルシウム拮抗薬)、デパケン・セレニカ(抗てんかん薬)、インデラル(降圧薬)などがよく用いられます。
こういったお薬を毎日服用することで片頭痛発作回数を軽減することはできますが、効果が現れるのに時間がかかったり、十分な結果が得られない場合もあります。
そこで2021年より画期的な発症抑制薬としてCGRP関連製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグ)が登場し、より発作回数を軽減させ生活の質の向上に寄与しています。片頭痛が起こるときに放出されるCGRPの働きを抑えることで片頭痛を起こりにくくします。
CGRPをターゲットとしたお薬としてエムガルティ、アジョビ、CGRPの受容体をターゲットとしたお薬としてアイモビーグがあります。
いずれも皮下注射薬でご自身で簡単に注射することも可能なお薬で、当院でも多くの患者様にご使用いただき喜んでいただいております。

予防治療薬(発症抑制薬)の種類とその働きについてのインフォグラフィック。片頭痛の発作を抑制するための日常的な使用法や、CGRP受容体をターゲットとした片頭痛治療薬のメカニズムが説明されている。

※日本イーライリリーホームページより引用

付加給付金制度について

付加給付制度とは、健康保険組合の一部や共済組合において高額になった医療費を払い戻してくれる制度です。
付加給付制度がある社会保険の保険証なら治療費の一部が返金されます。
国民保険や一部の社会保険は対象外ですので、詳しくはご加入の健康保険組合、共済組合へお問い合わせください。

  • ご自身で打つ注射をまとめて3ヶ月分処方

    合計 約40,000円のお支払い

    ※クリニックと薬局でのお支払いが3割負担になる場合。

  • 特別な申請をすることなく、後日、
    付加給付制度によって入金される

    約15,000円が返ってくる

    ※負担上限額が25,000円の場合の計算です。
    ※加入している健康保険組合によって自己負担額が異なります。

付加給付金制度に関する
注意点

  • 院内で看護師が打つ場合は1ヶ月の上限額まで達しないため付加給付がありません。
  • 国民健康保険には付加給付制度がありません。自営業者なども付加給付の対象外となります。
  • ご加入の健康保険組合、共済組合によっては付加給付の対象外となります。
    詳しくはご加入の健康保険組合、共済組合へお問い合わせください。